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文庫憑神 (新潮文庫)
新潮社 

[ ⇒ Amazon.co.jp ]
価格:¥540
出版日:2007-04
セールスランク:67991
文庫

通常24時間以内に発送
著者:浅田 次郎
出版:新潮社
(ASIN:410101924X, ISBN:410101924X, EAN/JAN:9784101019246)
カスタマーレビュー:評価平均:4.0(全レビュー数:24)
 評価:4落語的にはじまり、後半シリアスな展開に (2008-11-29)
時は幕末、ところは江戸。
出世に霊験あらたかな三囲稲荷(みめぐりいなり)と、災いが3度めぐってくる三巡稲荷(みめぐりいなり)を間違えてお祈りしてしまった貧乏御家人・別所彦四郎の物語。
3度の災厄は、貧乏神・厄病神・死神の3神が入れ替わりやってくることで引き起こされる。

前半の貧乏神、厄病神のところまでは、落語的でおもしろいが、後半の死神のところから大政奉還で武家の社会が終わるにあたっての御家人の処し方として、話は一気にシリアスな展開に。
落語的なオチを期待してるとがっくりするかも。そこだけおさえておけばストーリーにハマれる。
浅田氏の本を読むのは2冊目。そんな単純な話じゃないだろうと思っていたのでシリアスな展開も楽しめた。

婿入り先の実家の顛末や、息子のこと、兄貴のことなど、よくよく考えると、ブラックだけど、そこはさらりと読ませ、なんとも言えない読後感が残る。後でじっくりと考える余地があるのはさすが浅田流。

人間、いきてりゃ、いろんな運、不運がめぐってくる。運、不運に関係なく、最後に納得できるかどうかは腹の据わり方しだいというところだろうか。
 評価:5生きることは素晴らしい (2008-08-03)
出世を信じて拝んだ稲荷が実は一字違いのとんでもない三巡稲荷。巡ってくるのは幸運どころか、とんでもないことばかりが三度も襲ってくる。その厄介な神様と対峙するある武士の話し。
三巡・・・その名の通り三度巡ってくる神様と言うのがなんと貧乏神、疫病神、そして死神と言うのだからたまった物ではない。そんな稲荷に手を合わせてしまった彦四郎。最初の貧乏神に会った頃と、最後の死神に会った頃とでは随分と印象が違った感じがする。それぞれにあったことで考えるところがあったのだろう。なんだかだんだんと魂が輝いてきたようにも見え・・・・・。「限りある命だからこそ輝かしい」「勝ち負けではなく、勝ちっぷり負けっぷりが大事」、人が神に勝っている点でありだからこそ生きることは素晴らしいと思わせる。そんなところを無理なく描いてるからこそ、ぜひ読んでほしい小説であろう。
脇役もまた人間味あふれる人々で素晴らしく、そこを行くと主人公彦四郎は最後はちょっと立派過ぎるかも(笑)。
 評価:4勧善懲悪に人情を散りばめて、さあ泣いてください(笑 (2008-04-08)
本人は、いたってまじめで、人もよく、武芸にすぐれてるのに、なぜか運が悪くて。

すがった相手は、疫病神。

その疫病神にも同情されて。なんとか切り抜けたら今度は・・・

という感じのお話です。

浅田さん得意の「泣かせ」が存分にちりばめられてます。

気持ちが素直なときは、素直に感動できるけど、

そうでないときは、「ああ、またかよ(藁 」かな?

勧善懲悪に人情を散りばめて、さあ泣いてくださいって感じ。

いや、悪口じゃないですよ。

ここまで、この路線を徹底できるってのはすばらしいです(笑
 評価:5【貧乏神、厄病神・・・に憑かれた武士の運命は?】 (2008-02-18)
作者の本はよく読みます。ぽっぽやや蒼穹の昴、日輪の遺産など。どの作品もラストに行くにしたがって一気に読んでしまいます。そして切なく潔く涙しながらほほ笑むようなラストシーン。しばらくはその余韻でいつも放心状態です。

今まで読んだ作品の中でも非常に面白い作品と思いました。面白くて人間味があり貧乏神も厄病神も神であると設定。またその神々も一人ひとりが非常に人間くさく描かれています。本文の多くが会話で成り立っていますので読んでいても非常に心地よく心が洗われるような癒されるような感覚になります。

また、主人公の彦四郎の考え方はいまだ修行中のようなところがありがかなり周りから浮いた表現をされています。彦四朗の言葉には言霊が宿っているようで神々(といっても貧乏神や厄病神のこと)までもが彦四朗の相談役のようになってしまう理由なのかもしれません。

本文に「江戸八百八町が厄病神に取り憑かれたような凋落ぶり・・」とあります。次の時代が強く幕開けするときに今までの世界観、常識はただ単に時代おくれと呼ばれるだけなのだろうか?。新しいことこそ流行り風邪ではないのか。。武士として彦四郎はどう動いたか。

現代でも鉛筆からパソコンへ、電話から携帯へ、FAXからインターネットへ革命の連続です。この作品には現代にも通じる様々なメッセージがちりばめてあると感じます。時代が動く時、人々は何を観てどう生きようとするのか、浅田ワールド全快の間違いなくお勧めの一冊です。

 評価:4最後に残ったものは? (2008-01-09)
浅田次郎の作品は、プリズンホテルの様なお笑い系統か鉄道員の様な真面目な感動作に分か
れる。しかし、「憑き神」に関してはそのいずれにも分類し難い。

この物語は幕末の世を舞台に、人並みより不器用に生きている主人公別所彦四郎が三巡稲荷
に手を合わせたことから話が始まる。幕末ということで安易に新撰組を連想するが、以前読ん
だことのある「壬生義士伝」を近くに感じながら読み進めた。

彦四郎は貧乏神から始まり次々と災いを背負うこととなるが、神々と対する中で自分自身の
価値を問い続けることとなり、最後は死神をも味方につけて自分自身を貫く。
潔い主人公の生き様に武士道精神を感ずる。

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